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第4話

「みゃあたん!ごはん!」 ずっしりとのしかかる重みに起こされる。 目を開けると、顔が至近距離に。 「…優香、ちゃん?」 目をこすりながら掠れ声で言うと 「みゃあたん、おはよー」 …天使かよ(2回目) 「ん、おはよ」  ついつい俺も天使の前では素直になってしまい、天使をぎゅうっとハグした。 そしたら天使は俺のほっぺたにチュッてした。 チュッて。 「えへへ」 か、かわええええええええええええ 「ミヤビくんおはよう」 びっくりするほど機械的な声が聞こえた方を向くと、愛莉ちゃんだった。 「あ、おはよ…」 冷たい目でチラッとこっちを見た後、またどこかへ消えた。  マサキはもうスーツだった。 つまり一番寝坊なのは俺。  うあ、朝飯!どーしよ! ガバッと起き上がって慌てていると 「俺はいらんから。こいつらのだけ頼む」 マサキは寄って来て俺の肩をポンポンと叩き、耳元で 「寝起きのお前はそそるな」 早口でボソッとそう言ったかと思えば、風のように去っていった。 「パパいってらっしゃーい」  天使が屈託無く玄関先で手を振ってる時、俺は心拍数MAXになっていてとてもじゃないけどお見送りなんてできなかった。  我が身を振り返れば、ボサボサの髪にテロテロのシャツは襟ぐりが伸びて肩が半分見えかかってて、ゆるゆるのジャージはきわどいとこまでずり落ちてて… …新しい部屋着、買お。 朝メシが済んで。 で? この後どうしたら? 「あの、愛莉ちゃんと優香ちゃんは、今日何するの?」 「パパが、ミヤビくんとお留守番してなさいって」  ハァ〜無茶ブリ来たね! いやまあそれしかないだろうけどさ。

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