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第7話 軽蔑の目
空港から車に乗って、斗真の家を目指して走る。
祐を乗せた車は、荒い運転を繰り返しながらひたすら殺風景な道を行く。
家までの距離があるので、高速をひた走る。
「相変わらずフランスっぽくないなぁ…」
車窓から見える無機質な道路を囲む壁に見飽きた祐は、視線を前へと向けた。
そういえば、と遠慮がちに祐は切り出した。
あまり触れてはいけないだろうと思いつつも、一応は聞いておかねばと思った。
これから同じ家で生活するのに、何も知らないでは気を使いどころが難しい。
それに、もしかしたら二人の修復に何か自分なりにいいアイディアが浮かぶかもしれないと思ったからだ。
「あ…ねぇ、伯父さん。今回の話って本当なの?その…マリー伯母さんが実家にって…」
奥さんに逃げられたらしいのは、本来の事なのだろうか?
伯父の心の傷を抉るようで、少し心がズキッとした。
「あぁ、その事な~」
そんな祐の気持ちも知らず、大した事ではないという素振りで斗真はハンドルを捌きながら頷いた。
「ここのところ忙しくてなぁ~。今回アメリカでも仕事が入っていて、打ち上げパーティーに出たんだけど、な」
その時を思い出しているのか、面倒くさそうに顔を顰める。
「有名女優様方に沢山お誘いを頂いて…まぁ俺は良い男だからそれは仕方ないんだが…」
ヘラヘラっとしたプレイボーイ発言に、祐が直ぐ様軽蔑の目を向けた。
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