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第8話 恥じらいの思春期
すると、斗真は慌てて言い加える。
「そんな目で見るな!俺は付き合いはじめて以降マリー一筋の男だぞ!あんなゴシップ記事を信じるなよ!?アイツらは嘘つき野郎だ!俺は断じてベッドインしてはいないし、もちろん浮気なんてして無い!!」
「ベッ…!?」
ベッドイン発言に、祐は絶句する。
斗真は男らしく整った顔をしており、性格も社交的で、日本は勿論欧米でも文句無くお誘いに困ることが無かった。
その為、十代前半には既に相当の場数をこなしてきただけに、性的な事など大した事ではなかった。
しかしそんな伯父を持つ祐はといえば、中学生の頃に淡い恋心を抱いていた…と、なんとも純粋な高校生なので性的な事にはとことん疎かった。
それに普段そんなに性的な事に興味がなかったからだ。
しかしそうは言っても、さすがにこの歳になれば否応なしに色々な所から情報は入るわけで。
ほんの僅かではあるが、多少の知識は持ち合わせていた。
けれど、同級生や友人からすると全く相手にならない知識しかない祐には全く誰もそんな話しを振ってこなかった。
「おっぱいデカイな」というクラスメイトの発言を耳にし、赤面してその場から離れてしまう祐には、それ以降誰もエッチな話しをしようとはしなかった。
恥ずかしがる祐は可愛いが、下品なネタで嫌がられ自分の側から離れていかれるのは避けたいというのが、本音であったからだ。
「思春期の男だろ」と例え言われたとしても、恥ずかしくてどうしようもないのだから仕方ない。
ベッドインというエッチなワードは、そんな祐にとっては顔を真っ赤にしてあたふたするには十分な発言だった。
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