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第12話 お風呂
窓の外がすっかり暗くなった頃、祐は食後の片付けを済ませると浴槽にお湯を溜め始める。
叔父の家だけあって、風呂場は日本人好みの仕様になっていた。
今夜は斗真も待つ必要がないので、早々に風呂に入って寝床に着こうと考え衣服を脱いでいく。
怖がりの祐は、夜ひとりで居るのが怖くて仕方ない。
とにかく早寝をして楽しい夢をみるのが一番だ。
「ふうっ…いい気持ち~」
髪と体を洗った祐は、浴槽に身を沈めた。
実家よりも大きな浴槽は十分に足を伸ばせ文句のつけようがない。
湯加減もいい感じだ。
「それにしても怒濤の一週間だったなぁ…」
疲れた目を閉じて、始まったばかりの夏休みを改めて思い返す。
何も変わらないと思っていた夏休み。
それがまさかのフランスでの滞在。
母の突然の宣告を受けた時は、衝撃を受けたものの海外という違った土地で過ごすというのもいい機会であり、経験の一つになると思った。
こうして違う土地の空気を吸って、大好きな料理を作って、ゆったりとした時間を過ごす。
まだ一週間。
けれどこの一週間は色んな経験も出来た。
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