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第15話 見知らぬ土地で
「げほげほっ…かはっ!」
一気に酸素が肺へと入り込んでくる。
手が漸く掴んだ物は空気で、パニックに陥った祐はその場で手足を全力で掻いた。
このままでは溺れてしまう。
とにかく何かを掴まなければ、と思ったのだ。
「っ!?」
しかしよく考えれば浴槽なだけに、すんなりと足が着くし普通に呼吸も出来ている。
命の危機を脱して、祐は全身から力を抜きその場に座り込んだ。
まさか溺れて死にかけるなんて、思いもしなかった。
このまま死んでいたら、自宅を建てたばかりの斗真に申し訳が立たなくなるところだ。
「はぁー。良かっ…」
良かったと言いたかったが、その先の言葉が出てこない。
風呂場で溺れたはずの自分が余りにも場違いな場所に居たからだった。
「え…。ここ…何処?」
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