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第21話 蝶々
蝶は不規則に飛び回っていたかと思うと、祐の周りをしつこく飛び回る。
よくよく見ると普通の蝶より随分と大きく、顔の作りも違っていた。
蚕の様でいてクマバチの様な姿をしていて、羽は揚羽に近いが、枚数が多い。
「蝶?なんか大きいし、見たことない種類だなぁ…もしかして新種だったりして~って、あっ!!」
自分の周りを飛ぶ蝶に似た生き物が可愛くて、嬉しく眺めていたら挨拶をするかの様に二、三度目の前で上下に飛んで、消えるように上空へと舞って行ってしまった。
「あぁぁっ、行っちゃった…」
淋しさにガッカリする。
「あっ、何これ?!凄い鱗粉だらけだ!!」
祐は蝶を見送ると、自分の体が鱗粉まみれになってしまっている事に気がついた。
「でも綺麗…キラキラしてる」
丁度いいと泉で洗い落とす。
「でもあの蝶。鱗粉こんなに落として大丈夫かな?弱っては無かったけど…」
蝶の心配をしながら、綺麗に洗い流した。
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