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第24話 孤独
祐が探索を終えて、うっかり寝てしまった頃には傾いた様子の太陽が、今はてっぺんへと差し掛かっていた。
しかも丁度狙ったかの様に、祐の寝ていた場所に直射日光が差し込んでいた。
「どうりで暑いはずだぁ~。…この服も取り替えないと」
祐は葉で作った服を脱ぐと、嫌な汗をかいた体を泉へと浸けた。
「気持ち良い~!」
祐は水の心地よさを感じて、目を閉じた。
すると脳裏に過ったのは、斗真や家族の姿だ。
どうして自分がこんな目に合わなければいけなかったのか。
これは夢か、何かの間違いではないか?
「…うぅっ」
家族を思い出して、耐えていたはずの涙がまた溢れてしまった。
泣かないと決めたはずなのに、どうしても我慢できない。
もしかしたら帰れないかもしれないという思いが過る。
そんな弱い心に、他の自分が叱咤する。
まだこの場所に放り出されて数時間。
探索したのも周辺数十メートル範囲だ。
そう。
まだ全然探しきってないし、努力していない。
人だって一人だが、通ったのだからこの後も誰か通るはずだ。
「頑張れ、諦めるな!!」
祐は顔を洗って涙を洗い流すと、もう一度周囲を確認する為に泉から出た。
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