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第27話 警鐘

「あ…」 その後ろから次々と似たような男達が現れた。 その男達も先頭の男の視線の先を辿って、祐を見て目を見張っていた。 祐は、嫌な空気を感じとり冷や汗を流す。 どう見ても男達は、正しい道から足を踏み外した様子だったのだ。 見た目で判断するなと言われても、本能で察知してしまう。 空気で分かる。 祐の住む世界が違うのだ。 どの男たちも大柄で、バサバサとした手入れのされていない髪の毛。 髭の生えた男、生えてなくても不精をしているのが分かる。 肌は浅黒く元からというよりは、清潔感を感じないものであった。 何より下卑た笑いを絶やさない。 皆、それぞれが抱えていた大きな袋を地面へと下ろす。 「頭ぁ~、あいつぁ何ですかね?」 「ん~ん?何だろうなぁ…見たことのねぇ人間だ」 頭と呼ばれた先頭に立つ男が益々顔をニヤつかせる。 「随分と小せぇな~おまけに白いし、黒いし…。本当に人間か?」 頭と呼ばれた一際大柄な男は、顎髭を撫でながらジッと祐を見つめてくる。 祐はまるで、蛇に睨まれた蛙だった。 「泉の女神様かもなぁ~?」 その一言に、ワアッと周りが沸き立つ。 それに対して、男が「静かにしろいっ」と声を上げる。 「騒いで見つかると厄介だ」 どうやら追われている立場らしい。 この男達が一体何で追われているのか、取り敢えず良くないことだと確かに分かる。 こんな状況にどうしていいのか分からず、恐怖から硬直していた祐は、あっという間に近づいて来られてしまう。 そして、この場から早く逃げなければ、と頭からの伝達が体に届く頃には、手遅れだった。

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