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第40話 品定め

抵抗をしようにも大きな男二人に拘束されては、どうしようもない。 祐は足を宙に浮かせた形で移動させられて、軽々アルゴと呼ばれた男の前に立たされる。 「顔を見たい」 少し甲高い声の持ち主だ。その言葉に応えて隣の男に顎を掴まれ上向かされる。 薄暗い為か、アルゴの横に立った部下らしき男がランプを掲げた。 アルゴに合わせる様に、祐の体が高く持ち上げらる。 それによってアルゴと嫌でも視線が合った。 「っ!!!?おぉっ、これは…!!!」 アルゴは細い目を見開き興奮に声を上げると、祐を凝視した。 祐の髪から頬、首筋を撫でるとスルリと腕を辿る。 「……私も長年人買いとして様々な人間を取り扱ってきましたが、こんな人間初めて見ましたよ。確かにアナタが精霊と比喩したのも納得です。見たことのない白く柔らかな肌に黒い髪と瞳。そしてこの華奢な造り。これは本当にいい買い物です!!さぁ、どうしましょうかねぇ~クククッ、考えるだけで楽しみですよ!!!」 アルゴは興奮冷めやらぬ様子で右手を上げると、パチンと指を鳴らす。 「では約束の物を」 アルゴがそう言うと、背後に控えていた部下である三人の男が大きな箱を持ちやって来て、蓋を開けた。 「確認を」 アルゴの言葉に大男が頷く。 今度は大男の部下が前に出る。 「おおおっお頭っ!確かに…っ!!」 暫くして部下のひとりが笑みを浮かべて興奮しながら応えると、大男は満足そうに頷いた。 「交渉成立ですね」 アルゴも満足そうに唇を歪めた。

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