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第48話 昔からの関係
「まぁまぁ、いいじゃんよ。ミシェルが居れば事は足りるんじゃけぇ」
そう言うヴァレリーを一瞥すると、ミカエルは黒のマントを纏う。
それからヴァレリーを改めて睥睨する。
「そして言葉遣いに気をつけろバカめ。立場を弁えろ、俺に指図するな」
そんな目を向けられれば市民は愚か兵士でさえも震え上がり床へ這いつくばるだろうが、幼少の頃から共に過ごしてきたヴァレリーは慣れたものだった。
「何処に行くんな?」
「…」
自分の隣を通り過ぎて部屋を出ていくミカエルに、ヴァレリーは直ぐ様後へと続く。
「何処に行くか言わんのんなら俺もずーっとつきまとうけぇな」
そんなヴァレリーの一言に、ミカエルは足を止めずに低い声を出す。
「ふざけるな。むさ苦しい男に付きまとわれても嬉しくないわ!仕事に戻れ!」
横に並んだヴァレリーはふん。と、鼻を鳴らした。
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