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第59話 夢
今は何時だろうか…。
あれからどの位の時間が経ったのかは分からないが、その間祐は膝を抱えてソファの上に座っていた。
座っている場所は周囲の女達から少し隔離され、ひとり様子を伺っていた。
天井から垂れ下がった天蓋が視界を遮るが、透かしの天蓋なのでこちらから向こうの様子が見えるのは有り難かった。
あれからアルゴ含め男達は忙しなく動き回り、残りの女達をそれぞれの場所へと繋いでは、飾り立てていった。
自分の居る半円の島より左右前の位置に雰囲気の違う飾りつけがされており、そこへ女達が何人かずつ座っていた。
恐怖からか体を寄せ合い、不安そうにしている。
その表情が伝わって、益々祐に不安を抱かせた。
「くっ…、本当にどうしてこんな事になったんだろ?ここ本当に何処でどうなるんだろ…。大丈夫きっと夢だ夢っ!」
信じたくなくて、そう自分に言い聞かせていた時だった。
突然ここから一番遠い場所である真正面の扉が、左右に開かれた。
「っ?!」
驚いて顔を上げると、そのドアの向こうからは、身なりの良い男達が楽しそうに入ってくるところだった。
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