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第61話 品物の値段
その言葉で一気に熱が帯び、会場に大きな拍手が沸き起こる。
「今夜も選りすぐりの品物を集めて参りましたので、じっくりと吟味の上お買い求め下さい。それではオークション開始させて頂きます」
司会の男の言葉と共に、女がひとり黒服の男によって中央へと連れてこられる。
それと共に、会場はザワつきを増した。
「それではNo.1はこちらの美女です。この女は南部出身で…、」と男によって女についての説明が始まる。
女は祐の居る場所から真正面の中央舞台に立たされている為、嫌でも目に入る。
抵抗しようにも男に拘束されていて、思うようにならないのが背中からも伝わってきて心苦しい。
「それではこちらの品物は、200から始めさせて頂きます!」
説明が終わると直ぐ様、競り合いが始まる。
元から会場に居た女達をある程度見て決めていたのか、手を上げる人間は決まっている様だった。
「200!」
「250!」
「300だ!」
どんどん上がって値段が決まり「はい、ではこちらの品物は400キャラットで決まりました」と司会が告げると軽く祝福の拍手が起きるのだった。
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