33 / 35
第33話
家に辿り着くと、2人は玄関の鍵を閉めてから、唇を求め合った。
軽く啄むようなキスを交わし、その後舌と舌を絡めるように、どんどん深いものへと変えていく。
先に、マオの膝がカクンと折れた。
「おっと……寝室に行こうか」
彰彦に瞳を覗かれると、マオは赤面しながら「すみません」と頷く。
こんなに官能的なキスは初めてで、つい膝が折れてしまったのだ。
彰彦はマオの手を引いて2階への階段を上り、自室のドアを開ける。
そして今朝起きたっきりになっているリネンを見るなり、マオに謝った。
「すまない、マオがいないと知って、ベッドを直さずに出かけてしまった」
「いえ、ベッドメイクは俺の役目ですから、気になさらないでください」
「マオ、同性婚が認められたことは知っているか?」
マオをベッドに押し倒しながら、彰彦は問うてみた。
「言葉だけは……内容はよく分かりませんが……」
「男同士、女同士の結婚が認められたということだ。俺達も結婚しないか?」
「──っ!?」
彰彦はマオの返事を聞かずして、彼の服をどんどん剥いでいく。
自分もスーツを脱ぎ捨て、生まれながらの姿になっていく。
彰彦はマオの下半身に触れ、やわやわと揉んで少し硬くなったところで、アナルに指を挿入してみた。
「痛いか?」
「少し……でも、大丈夫です……」
相手を愛していていてもいなくても、後孔に指が挿れられる時の閉塞感は変わらない。
だが彰彦の指先は、とんでもなく優しかった。
痛いはずの指の挿入が、快感へと変わりつつある。
「あ、あッ……」
「痛い時は痛いと言え……」
彰彦はマオのペニスも手中に収め、上下に緩く扱き始める。
身体が痺れて背筋に電流が走るかのような錯覚に襲われた。
こんな感覚をマオは知らない。
優しく抱かれたことなど一度もなく、こうして彰彦に抱かれることに一縷の恐怖があったが、やはり抱かれてよかったと思う。
自分を愛してくれている人とのセックスは、そうでない人とのそれとは別物だ。
「あ、あ……あ、彰彦様……」
「そう言えば、呼び方を変えてくれと頼んだはずだが?」
「今は……まだ……んッ……」
「そうか。だがちゃんと変えてくれよ」
裏筋を親指の腹でなぞられれば、マオの背がベッドの上で思い切り反った。
そのくらい気持ちがイイ。
彰彦はどうなのかと恐る恐る手を出せば、もう完全に勃起している。
「彰彦様……硬い……」
その硬いペニスを掴み、竿を扱いてやれば、彰彦の喉から甘くて熱い吐息が洩れる。
「んッ……マオ……上手だ……」
ともだちにシェアしよう!