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第33話

家に辿り着くと、2人は玄関の鍵を閉めてから、唇を求め合った。 軽く啄むようなキスを交わし、その後舌と舌を絡めるように、どんどん深いものへと変えていく。 先に、マオの膝がカクンと折れた。 「おっと……寝室に行こうか」 彰彦に瞳を覗かれると、マオは赤面しながら「すみません」と頷く。 こんなに官能的なキスは初めてで、つい膝が折れてしまったのだ。 彰彦はマオの手を引いて2階への階段を上り、自室のドアを開ける。 そして今朝起きたっきりになっているリネンを見るなり、マオに謝った。 「すまない、マオがいないと知って、ベッドを直さずに出かけてしまった」 「いえ、ベッドメイクは俺の役目ですから、気になさらないでください」 「マオ、同性婚が認められたことは知っているか?」 マオをベッドに押し倒しながら、彰彦は問うてみた。 「言葉だけは……内容はよく分かりませんが……」 「男同士、女同士の結婚が認められたということだ。俺達も結婚しないか?」 「──っ!?」 彰彦はマオの返事を聞かずして、彼の服をどんどん剥いでいく。 自分もスーツを脱ぎ捨て、生まれながらの姿になっていく。 彰彦はマオの下半身に触れ、やわやわと揉んで少し硬くなったところで、アナルに指を挿入してみた。 「痛いか?」 「少し……でも、大丈夫です……」 相手を愛していていてもいなくても、後孔に指が挿れられる時の閉塞感は変わらない。 だが彰彦の指先は、とんでもなく優しかった。 痛いはずの指の挿入が、快感へと変わりつつある。 「あ、あッ……」 「痛い時は痛いと言え……」 彰彦はマオのペニスも手中に収め、上下に緩く扱き始める。 身体が痺れて背筋に電流が走るかのような錯覚に襲われた。 こんな感覚をマオは知らない。 優しく抱かれたことなど一度もなく、こうして彰彦に抱かれることに一縷の恐怖があったが、やはり抱かれてよかったと思う。 自分を愛してくれている人とのセックスは、そうでない人とのそれとは別物だ。 「あ、あ……あ、彰彦様……」 「そう言えば、呼び方を変えてくれと頼んだはずだが?」 「今は……まだ……んッ……」 「そうか。だがちゃんと変えてくれよ」 裏筋を親指の腹でなぞられれば、マオの背がベッドの上で思い切り反った。 そのくらい気持ちがイイ。 彰彦はどうなのかと恐る恐る手を出せば、もう完全に勃起している。 「彰彦様……硬い……」 その硬いペニスを掴み、竿を扱いてやれば、彰彦の喉から甘くて熱い吐息が洩れる。 「んッ……マオ……上手だ……」

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