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第34話

焦らされる。 追い詰められる。 マオの手の動きは、彰彦の挿入を誘っているかのようで、彰彦としてももう堪えられそうにない。 「マオ……挿れていいか……?」 タイミングが分からずに問えば、組み敷かれたマオは口元に笑みを湛えながら頷いてくれた。 彰彦はマオの両膝の裏を持ち上げ、ペニスをアナルにあてがった。 そしてゆっくりと腰を沈めていく。 「あぁッ……ア……あ、熱い……」 熱くて硬くて大きい。 そんな一物が今まさにマオのアナルに埋め込まれているのだから、マオとしても嬉しい。 一方で彰彦は男相手は始めてだ。 女を相手にする時と同じく、すぐに動いてしまっていいのかどうかが分からない。 「マオ……動いて平気か?」 だからマオへの負担を考え、お伺いを立ててから行動することになってしまう。 だがマオはそんな彰彦に嫌な顔一つ見せず、言葉を発することなく、笑いながら彰彦の頬を撫でてきた。 これはYESのサインなのだろうか。 彰彦はそう解釈するなり、ゆっくりとペニスを引き抜いて、ゆっくりと押し込んでみた。 マオが脱力しているせいか、すんなり抽送できる。 「彰彦様……もっと激しくても平気です……」 「煽るなよ……壊したくないんだ、マオを」 そう、壊したいのではなく、繋がって絶頂を味わいたいのだ。 だからこそ、マオの意見は大切だ。 挿入している自分は何とでもなるが、受け入れている方の負荷が重いことなど、この体勢を見ればよく分かる。 彰彦はさっきよりも少し速めに腰を動かしてみた。 「ンっ、あぁんッ……んぅッ、……」 彰彦が動く度に、腹の中が撹拌されているような気がする。 だが、全然嫌ではない。 マオは彰彦の手を取ると、自分の下腹部に当てた。 「マオ……?」 「俺のナカに彰彦様がいる……分かるでしょう?」 薄い皮脂の下で暴れているからこそ分かる、彰彦の感触。 こうして手を当ててみると、なかなかに淫らな感じがするなと彰彦は思った。 とは言っても、別に悪い気がしている訳ではない。 マオのナカにいることが実感できているのだから、それだけで幸せだ。 「う、あ……」 そうこうしているうちに、マオのナカがいきなりギュッと締まった。 何があったのかと驚く彰彦は、マオに「前立腺擦られちゃって……」と照れ臭そうに言われ、そう言えば男にはそんな名称の性感帯があったなと思い出した。 「あ、あんッ……」 最奥を穿てば、それはそれでまた締まり、彰彦はあまり長く堪えらえることなく、マオの腹の中で達してしまうのだった。

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