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第27話(R18)

 黒木はまた「失礼します」と亘理に断りを入れ、その陰茎を優しく握った。 「んっ、んっ!」  黒木に迷惑をかけてしまうので、亘理は何とか、声を抑えようとする。左胸がじわりと熱くなり、目元は皮膚が痙攣するようにぷるぷると揺れてしまう。  いつか見た夢と……いや、それ以上の苦しさと快楽が亘理を食んでいく。 「もぅ……やめ……」  亘理のは弱々しいながらも制止の声を上げる。  しかし、黒木は珍しくその声を無視して、亘理の頭を撫でた。今度は黒木が「大丈夫です」と言うように。  嬉しくない訳がない、と亘理は思うと、一際甘い声が出て、熱いのに体が震え出した。 「ハぁんっ」 「亘理さん、寒いですか?」  黒木の声にまるで、先日、パーマをかけに来た時の事を場違いに思い出すと、亘理は何とか首を横に振る。身体の震えを抑えるように、自身の手を口元の前へ持ってきて、歯も食いしばる。  そんな亘理の色の薄い亀頭を黒木は優しく押し潰す。まるで、その尿道まで指を入れるように押し潰し、会陰部も弄るように触れた。 「んンっ……ンン……」  震えながら、甘えるような声を出す亘理からは亀頭からは透き通った雫が滲み、溢れ出そうとしている。  黒木は亘理の股間をソファから右足を投げ出すように開き、屈み込むようにすると、その陰嚢の精液を搾り尽くすように形の良い一文字の唇に亘理の亀頭を挟む。 「あ……ぅ……」  やめて。そんな事、しないで良い。  と、唇を窄め、舌先で亀頭を愛撫してくる黒木に訴えようとした亘理の口からは相変わらず、堪え切れない快楽にむずがるように甘えたような声が零れる。  その間にも黒木の咽喉の奥、胃腸の底へと亘理の精液が流れ込んでいく。  時折、微かに聞こえる黒木の咽喉の動く音で泣きそうになっている亘理の下半身では性器がまた硬くなり始めた。 「やぁ……あ……ンっ」 「すみません、貴方は自分なんかに慰められるなんてお嫌でしょうが……」  黒木の悲しげな呟きに半狂乱になりながらも亘理はそういう意味じゃない、と否定したかった。俺は貴方が好きなんだ、と叫んでしまいたかった。  しかし、亘理は最後の最後に残った塵ほどの理性でそれだけは口にできない、こんな状態で言いたくない、と強く思った。

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