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第2話

少し行くと、艶やかなニンフが寄って来た。 「ご機嫌よう、夜の主。何かお探しものですか?」 「あぁ、いや、別に何でも無い」 「毛玉ちゃんでしたら。あの溝を元気に飛び超えてったきり、まだ戻りませんけど」 「……やはり、そうか」 「あ、でも。何か美味しい草でも見つけたのかもしれませんよ」 「たしかに、あれは大食らいな上に、軽率だからな。何処かの柵に引っ掛かっているのやもしれん」 「この先に柵は無かったと思いましたけど。あ!沼なら、ありますね」 「それは何処だ?」 「あの薄紅の花の辺りですよ」 「感謝する」 我は早速その辺りまで移動した。

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