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オマケ

我が名は、アマテラス。 全知全能の神である。 そして、弟のツクヨミは…… 真面目な性質で、務めはキチンとしているようだが、他の神々とは一切交わらず、夜の中に引き籠もったままである。 それゆえか。 少々、配慮の足りぬ采配もあるやにも聞く。 あれに欠けたものを補うような、何か良い手だては無いものか。 我は暫し黙考した。 闇に沈む静謐を乱す何か…… 柔らかく、生気に溢れ、無邪気なもの。 いとけない子、では、あまりに荷がかちすぎよう。 それに、あれは大の女嫌いだ。 ううむ……。 ふと、祭壇に供えられたものに目がとまった。 子羊から初にとれたという毛の塊。 ──ふむ。なるほど、これなら、手頃であろ 素朴な色の塊へ星の粒を一対と月桂樹の枝、夜露に濡れた薔薇の花弁を乗せ、軽く息を吹きかけてやると、もぞもぞと動き始めた。 ──よし。 コレを弟の部屋の隅へと転がし、しばし様子を見るとしよう。 さすれば、きっと何か良い変化が起こるに違いあるまい。 なにせ、傲慢、不遜と言われ続けた我が情を覚えたは、ツクヨミ、お前が発端だったのだからな。 天真爛漫な羊が、生み出した主の手を離れ、思わぬ暴走を始める少し前のお話。

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