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第6話

翔の悩み 僕はどうしたいんだろう? 僕は…。 何故か榊のことを嫌いにはなれない、 そればかりか嫌われたくないそう思っている。 中学時代はずっと一人でやってこれた。 高校三年間はずっと一人でいるつもりだった。 それが最良の考えだと思っていた… なのに榊君が言ったことが頭から離れない。 僕は…僕は…わからない、ぐるぐると頭の中に雲が広がっていく…どんどん暗く沈んでいく… 考えても考えても振り出しに戻っていく、寝ているのか、起きているのかわからない…。食事も食べたくない、自分の事なのにどうしたらいいのか。 でも答えは出るはずが無い。会って数日の男相手に恋愛感情は湧かない。 でもその伸ばされた手を拒む事もしたくない、自分の心なのにうまく表現できない。 榊の悩み 俺は後悔はしていない。 だってやっと会えたんだ…。 やっと気持ちを伝える事ができたんだから、これで終わりにはしたくない。翔にはびっくりさせてしまったが、何も言わずに同室でいたく無い。 榊の心には迷いはなかった。 だが自信がある訳でも無い。 翔の答えが出るまでは少し距離を置いた方が良いのだろうか?とそう考えるくらいには小心者だった。 しかしそばに居て、生活して寝顔を見て理性が持つだろうか? つらい…この手で抱きしめたい…キスしたい… 榊の翔への想いはどんどん募っていく…。

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