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第13話

球技大会 「夏目は何に参加するの? 僕は運動苦手だから憂鬱だよ…。」 翔はため息混じりに聞いてきた。 それを聞いた榊は嬉しそうだった。 「翔、今俺の事を夏目って呼んでくれたな! ありがとう。」 翔も改めて言われると恥ずかしくなってきた、それでも榊の喜んでいる姿は嬉しかった。 クラス委員として誰がどの種目に参加するか、希望を聞きながら決めていった。 「早く決まって良かったね!」 榊がテキパキと生徒を振り分けていったのを尊敬していた。 でも二人が参加する競技はまだ決まってない。 「で、夏目は何に参加するの?」 顔を赤くしながら話を戻した。 「バスケやサッカーは運動量がハンパないから、俺はいいけど翔と同じ種目に出たいからバレーボールなんてどうだい?」 榊の提案に翔は頷いた。 翔は全ての人の名前が書かれている用紙に決まった事を記入していくことに集中した。 誰も文句なく受け入れてくれた。 ただ影で何か喋っている奴がいた、極々小さい声で。 『ん…?今、翔って言ってなかったか? それになんであいつらは翔を睨んでいるんだ。』 榊は生徒の三人が気になったが声をかけることはしなっかた。 授業も終わり二人は寮に戻った。 「か〜ける!」 「なっ夏目、あっあの、んあ…。」夏目が急に抱きしめてキスしてきた。恥ずかしいけど気持ちがいい…。 「う〜ん、可愛いなあ」 「可愛いってなんだよ!ほら着替えて夕食食べに行こうよ。」 二人は未だキス止まり。榊は 苦笑いで答えると身支度をして部屋を出た。 当日は各クラス委員が司会進行をしなければならず榊も翔も仕事が山積みでまともに練習に参加できるかどうか…それでも二人は楽しみだった。 「クラス優勝したいなぁ。」 翔のそんな一言も笑顔になった。

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