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第15話

どこだ? 「あれ?翔?ちょっとのんびりしすぎたかな?」どこに行ったんだ、体育倉庫集合だったはずなのに姿が見えない。 他の役委員のなかに翔はいない。 「斎藤見なかったか?」 榊は近くにいる奴に聞いて見たが誰も知らないと言う。 トイレにでも行ってるのかも、榊は一番近いトイレに行ってみることにした。 「翔? いるか?」そこには誰もいなかった。どこに行ったんだ…翔が自分の仕事を放り出す訳が無いし…榊は少し胸騒ぎがして足早に体育倉庫に戻った。 あたりを見たらなにかが落ちていた。 榊は急いで手に取った見覚えのあるタオル。 翔の物だった。 おかしい、何故こんなとこに落ちているんだ。 そばには引きずった跡まである。 榊の背中を冷や汗が流れて行く。 まさか翔に何かあったのか? 跡は校舎裏に伸びている、榊の足は自然と速くなっていた。 「ここは…僕はどうして?」 翔はクラクラする頭を押さえて身を起こそうとして違和感に気づいた。 縛られている、訳が分からずあたりを見回した。 「な、なんで縛られているんだ?手も足もどうして?僕は体育倉庫にいたはず…ここは?」 どこかの教室だとはわかるがカーテンが引かれていて薄暗い。 「あっ、起きちゃった?かけるクン!まだ寝てたほうが良かったのに。」 ニヤニヤした生徒が話しかけてきた。 同じクラスの人だとはわかるが、頭が働かない。 「ここはどこ?」震える声で聞く。 「どこでしょう!かけるクン可愛いよね!俺たちと良いことしよ!」 気持ちの悪い笑顔で答えてきた。 「なに?これほどいて!」 「だーめ!ほどいたら逃げるでしょ、これからイイ事するっていたでしょ。」

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