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第16話
嫌だ!
いきなり教室の扉がガラリと開いた。
「た、助けて!」 入ってきた生徒二人に翔は叫んだ。
「なに?もう気がついちゃったのか?」 助けを求めた相手も笑っている。 翔は動けない足をくねらせて後ろに下がった。
「早く薬使えよ!騒がれるだろ!」「じゃあ顔押さえてくれ、飲ませるから。」男子生徒が小さい小瓶を手に近づいてくる。翔は壁際までさがって動けない。
「嫌だ!なにするっぐうう」翔は無理やり口を開けられ液体を飲まされた。
「かはっケホっ、なにするんだ!」縛られた手で口を拭いながら相手を睨んだ。
「さあって、媚薬ってどれくらいで効いてくるんだ?」「速攻性のだから時間はかからないはずだけどな!」ニヤニヤと翔を眺めている。 「おい!先に服脱がせておけよ。撮影はどうする?」男子の会話に心臓が激しく鼓動する。媚薬って?撮影?翔は動けないながらに体を小さくする。
「じゃあ、服脱いじゃおか!」翔の体操着に手がかかる。縛られているから手首で絡まっている。ズボンも足首で止まって余計に動けない。 下着一枚の姿を携帯カメラで撮影されて、翔は身を捩って抗ってみるが何だか身体がおかしい…。
「嫌だ!離せよ!あっ!…なにこれ?」熱い、痺れて、クラクラする!
「怖い、なにこれ、解いて‼︎いやー!」翔は自分の身体の変化に驚く。
「薬、効いてきたかな?どう?どんな感じかけるクン!」カメラのレンズを向けながら聞いてきた。 三人にジロジロ見られながら翔は息が上がってくる。 これからなにをされるのか恐怖と不安で目が離せない。 『夏目!夏目僕を助けて!』
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