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第19話
やっと見つけた!
引きずった跡をたどって榊は、校舎裏まで来たけどあたりに翔の姿はない様だ。 手には翔のタオルが握られている。
『翔は何処だ!』建物からクラスの奴が出て行くのが見えた。
『あいつら、翔のことを睨んでた奴だ。こんな所で何してんだ?』
「翔?居るのか?」俺は校舎の中に入る事にした。
「また遊ぼうね!」そんな声が聞こえて来た。俺は声のする方へ走った。
「榊、お先に!」なんだあいつお先にって何が? すれ違い様に声をかけられたが意味がわからない。 廊下の先を見るとフラフラと翔が部屋から出てきた。
「翔?どこ行ってたんだ!心配したぞ!」 翔はビクっと驚くと走って行ってしまった。
俺は訳が分からず追いかけた。
どうしよう夏目に見られた…イヤだ!もう帰りたくない。
翔はもつれる足を引きずりながら学校裏の林に来ていた、足が木の根に引っかかり思いっきり顔から転んだ。
「うう…痛い…。」涙がポロポロと溢れてくる、顔も痛いけど、胸も苦しい。
座り込んで足を抱えてうずくまる…
「なんで…なんで僕は…」これからどうしたらいいんだろう?もう夏目のそばには居られない。考えて涙が途切れることなく溢れてくる。 カサっと音がして誰かの足音が聞こえて来た。僕の身体は硬く動けなくなった。
「翔?どこだ!」あっ夏目の声が聞こえる!隠れなきゃ…こんな姿見られたく無い。
立ち上がり隠れようとしたけど足がゆうことをきかない。
それになんか気持ち悪い…。 目が回る…ああ地面が揺れる。
「翔!翔!しっかりしろ!」 遠くで夏目の声がする…
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