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第21話

どうしよう… 僕は気がついたら自分のベットに寝てい。 夏目に見つかちゃったんだな… でも今部屋には僕一人だ。 夏目に色々聞かれたらなんて答えたらいいんだろう? イヤだ。会いたくない…! 僕は重い身体を引きずりながら、一人になれる場所を探して屋上に来ていた。 ここなら誰も来ないはず…コンクリートの壁にもたれてズルズルと腰を下ろした。 星が良く見えるなぁ…これからどうしよう…。 考えて考えて、涙が出てきた。 次から次へと溢れてくる。 身体が熱い…頭が回らない…。 夏目に話したら軽蔑するだろうなぁ…このまま夏目の前から消えてしまいたい!こんな厄介な気持ちはもうたくさんだ! 僕はフラフラと立ち上がると屋上の隅まで歩いた。 「簡単じゃないか!ここから一歩踏み出せば何も考えなくていいんだ。」 僕はゆっくりとふちに登った。 下を見ても暗くて何も見えないし、怖くもない。 「さようなら…夏目、好きだよ。」 翔はどこだ!榊は屋上に出る扉を開けた。 ここに居るのか? 「翔!居るか!か、翔?お前何してるんだ?危ないからそこから降りろ!」 翔は隅の段差に登ってフラフラしている! 「夏目、ごめんね…僕は…」 「いいから!動くなよ!今行くから!」榊はかけよろうとした。 「来ないで‼︎ 一人にして!」翔はズルズルと後ろに下がった。 もうすぐ楽になる、最期に夏目に会えて良かった。 「さようなら。夏目」僕はふらっと後ろに倒れた。 「かける‼︎」 ふわっと身体が外に出た、でも落ちた感じがしない。 ギュっとつむった目を開けると夏目が僕を抱きしめていた。 すぐに降ろされさらにきつく抱きしめられた。

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