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第23話

怖い… どうしよう…。震えが止まらない。 夏目は不信がっている…聞かれてらどうしよう…。 ゆっくりとベットに降ろされ、頭を撫でている榊を翔はじっと見つめた。 「今は何も言わなくていい。この薬を飲んでゆっくり休んでくれ。」 翔に水と薬を渡すと素直に飲んだ。 榊はまた軽くキスをして頭を撫でた。 翔の瞼が次第に降りてくる。 「ごめん…ちゃん…と…はなす…から…」翔は眠りについた。 俺は翔を寝かせると、貰ってきた傷薬を手首と足首に塗った。 濡れたタオルを額に乗せて自分のベットに腰を下ろした。 何があったんだろう?死ななきゃならないことってなんだ? 俺から逃げたのはどうして…それにあの震えは…怯えていた?田辺にか? そんなに翔とは接点はなかったよな? それに田辺のやつ何が『かけるくん』だ!なれなれしい!わからない事だらけでイライラする! 翔を見たらよく寝ている。 早く元気になってくれよ。榊は優しく頬を撫でた。 僕は何度か目を開けると、必ず夏目がそばにいた。 熱で朦朧として喋れないけど頭を撫でてくれて安心して僕はまた眠りについた。 優しい手だった。 今だけはなにもかも忘れよう。 翔は何度もうなされて目を覚ました。 俺を顔を見るとまた眠った。 俺は翔の頭を撫でて「ここにいるから大丈夫だ」と声をかけると微かに微笑んでいた。 コンコンとノックの音がした。翔を起こさないようにドアを開けた、だが誰もいない。 ドアを閉めようとして落ちている封筒を見つけた。拾ってみると表に俺の名前が書いてある。 俺に? 誰が? 差し出し人の名前は無い。 中を確認してみると、何枚か写真が入っていた。 「なんだよこれは‼︎」 そこには翔が写っていた。

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