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第38話

翔の護衛 竜崎は自室に戻り静かにベットに座った。 同室者はもう寝ている。 榊の話を聞いて寝れるわけがない。 『翔の護衛をして欲しい。』夏目の言葉が頭を過る。 あんなくやしそうな顔されたら断れないだろ! まぁ、あいつがあんな顔するところなんてそう見られるもんじゃないが、気持ちの良いものじゃないな。 それにしてもレイプとは…ここは男子校だぞ! 入学して数ヵ月でそんなことが起こるか? 翔って奴は自分の身も守れないのか。 夏目の想い人か…名前しか聞いてなかったしな、一度会っておくか。 榊は翔の寝ているベットに腰かけた。 「俺が、守るから…」寝ている翔に呟いた。 明日から登校して大丈夫だろうか? 翔は学校で過ごせるだろうか? 俺、お前のことになると冷静になれないな。 「好きだよ…翔、」 榊は翔の横に一緒に布団に入った。 横向きの翔を背中から抱きしめた、寝ているはずの翔がすり寄ってきた。 無意識に寄ってきて、榊は嬉しかった。強く抱きしめて眠りについた。 次の日僕はいつもより早く目が覚めた。 背中が暖かい、夏目がいた。 僕を背中から抱きしめて寝ている。 ドキドキしながら夏目の手を解こうとしたら余計に強く抱きしめられた。 どうしようかと少し動いてみたがダメだった。 「翔?起きたのか?」 と、声がかかる。 「おはよう、夏目。手を離してくれる?」 でも夏目は離してくれない。 「ダメ!もう少しこのままでいろよ。」

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