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第43話
屋上で自己紹介
誰?夏目と知り合いみたいだけど…
「コイツは竜崎誠二、俺の親友だ。翔の事はコイツに頼んだから、なんでも相談しろ。」
僕は何を言っているか分からずぽかんとしてしまった。
「えっ!それって夏目と僕の事…知ってるの?えっ…エ〜なんで…」
きっと僕の顔は真っ赤だったと思う。 僕が恥ずかしがっていると竜崎君はもっとすごい事を言った。
「それ以上に今回の事件の事も知ってる。」
僕の顔は赤から青に変わった。 全身からちからが抜けていく。 夏目が手を握ってくれていなかったらきっとへたり込んでいただろう。
ため息をつかれて僕はビクッとした。
「お前は自分の身一つ守れないわけ?男だろ!」
竜崎君の言葉に俯いてしまった。
「悪い。コイツ口が悪いがいい奴なんだ。信用してやってくれ。誠二もいい加減にしろ!」
夏目の言葉を聞いても震えは止まらない。
「悪かった。少し言いすぎた、八つ当たりしてすまない…夏目がやっと探し出した思い人がそんな目にあった聞いて…斎藤は被害者なのに。ほんとすまない。」
竜崎君は頭を下げて謝ってくれた。
「必ず犯人に償わせる。だから話せる所でいいから詳しく事件の事を話せ。」
夏目と竜崎君に言われて僕はつっかえながらもこの間の事を竜崎君に話した。 じっと僕の話を聞いていた竜崎君は唇を噛んでいた。
「ひでーことするなぁ許せん!」
夏目に任しとけと一言いうと屋上を後にした。 僕はなんか疲れてしまった。いくら助けてくれると言ってくれたからって人にあんな話をするなんて…追体験をしたみたいで胸が苦しい。
榊は翔の顔色が悪いのに気づき大丈夫か?と声をかけて背中をさすった。 幸い屋上には誰もいないし来る気配もない。 翔は榊の膝枕でで少し休むことにした。
「ごめん。迷惑をかけて…ありがとう。」
翔は目を瞑って榊に謝った。
「こっちこそすまなかった。 嫌な事を思い出させて、どうしても情報が欲しかったしでも信じてくれ。誠二は翔の味方だから。 俺たちを絶対に裏切ったりしない。」
榊の言葉に翔は頷いて答えた。 榊は翔の髪をかきあげて空を見上げた。
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