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第44話

味方は三人 結局、榊と翔は午後の授業を休んでしまった。 榊まで寝てしまい気がついたら下校時間。 焦る翔とは打って変わって榊は涼しい顔をしている。 「慌てるな。仕方がないだろう?諦めな。」 「だって!だって!授業どうしよう?先生になんて言おう? 」 オロオロする翔に榊は大丈夫としか言わない。 「身体の調子が悪くて保健室に行ってたとでも言っとけば大丈夫だって! 俺は付き添いな!」 授業をサボるなんて初めてで翔は少し…いや、だいぶん焦った。 「さあ、帰ろう。誠二も多分昇降口で待ってるから。」 榊に手を引かれて立ち上がり荷物を取りに一度教室に戻った。 殆どの生徒が帰って残っている生徒が榊や翔の姿を見てもあまり気にしていないようだった。 翔は、安心したが存在感がないのかと少し落ち込んだ。 榊は翔に鞄を渡すと並んで昇降口まで歩いた。 榊の言う通り竜崎は扉にもたれて立っていた。 二人を見つけると遅い!と一言言って先に外へ出て行った。 二人も靴を履き替えてその後を追った。 夕食の約束をして自分の部屋に戻った。 「竜崎君に話して少し安心した。 夏目もそばにいてくれるし、ありがとう。」 食後のお茶に竜崎を誘って翔と榊の部屋に三人でいる時に翔が二人にお礼を言った。 「俺はまだたいして何もしてないぞ。」 「それでも、僕には嬉しかった。」 翔の顔を見て竜崎はため息をついた。 「おい!夏目。コイツちゃんと見張っとけよ。俺でもわかるわ、苦労するな。」 「わかってるさ!俺もそう思う…」 二人の会話に?マークを浮かべて翔はきょろきょろと見ていた。 「あの~なんの話をしてる? 見張っとけって何?」 翔の問いに榊が答えた。 「可愛すぎて、誰が見ても襲われそうって事!」 翔が顔を真っ赤にして怒った。 「そんな事ないよ!僕だって男だし…」 「その男が今回襲われたんだろ!」 翔の言葉に竜崎が答えた。 「ごめん…」 翔は俯いてしまった。 「まあ、夏目がいるんなら大丈夫だろ。 この件が落ち着くまでは夏目のそばを離れるんじゃないぞ。」 そう言うとご馳走さまと言って竜崎は自室へと帰っていった。

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