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第47話
夏目の教え方はわかりやすい、なんでこんな簡単な事がわからなかったんだと自分でも思うほどだ。
「ありがとう、助かったよ。これで今夜寝られるよ。」
机の上を片ずけて伸びをし立ち上がった所で夏目に足を払われて後ろのベットに倒れこんだ。 夏目が腕を掴んでいたから衝撃はなかったが…この体勢はやばい。
「夏目、もう疲れたから僕は寝たいな。明日も学校あるし…」
夏目はにっこり笑うと
「授業料はどうした?」
「え〜と、ツケってできる? 」
僕の髪を梳いていた夏目は笑いながら
「わかった。じゃあ翔からキスしてくれたら、ツケにしてあげる。どうする?」
「えっ、えっと…じゃあ目を瞑ってくれる?絶対にあけちゃダメだよ!」
僕は夏目の唇に触れるだけのキスをした。 もう恥ずかしい、夏目とは何度もキスをしてるのにいつまでたってもドキドキして緊張してしまう。
「これでいい?」
「了解!ツケにしよう。でも早く返さないと利息分が付いていくからな!」
なんて事を言うんだ。
「出来るだけ善処します…」
僕が答えると夏目は笑って僕のベットから出て行った。
「翔、電気消すぞ。おやすみ」
「おやすみ夏目」
僕たちはそれぞれのベットで眠りについた。
朝二人が教室に行くと田辺と数人の生徒の席が空席になっていて、荷物などは片付けられていた
。 寮でも姿を見なかったから多分自宅に帰ったのだろう。
翔は榊の手をギュッとにぎり深呼吸してから席に着いた。
「おはよう斎藤、榊、今日も仲良く一緒に登校か!」
クラスメイトの篠崎が冗談混じりで挨拶をしてきた。 翔は手を繋いで教室に入った事を思い出して顔を真っ赤にして俯いた。 榊は少し笑いながら、
「いいだろう!おてて繋いで仲良しなんだ!」
と言い返した。 余計に翔の顔が赤くなっていく。 翔の心臓は、その後の会話が聞こえないくらいにドキドキしている。 程なくしてチャイムが鳴りバタバタと周りが席に着き出した。 翔も席に着くと後ろの席の榊が肩を突いた。振り返った翔に榊は
「耳まで真っ赤だぞ!」
と小声で囁いた。 翔は顔を抑えて
「誰のせいだと思ってるの!」
と言い返した。
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