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第48話

翔にとって学校の授業は楽しい、難しい教科もあるが先生たちが面白く一日があっという間に過ぎていく。 「翔、今日は一人で寮まで帰れるか?」 寮までの道のりはたいしてない。 ゆっくり歩いても十五分ぐらいだろう、でも一人では寂しいそんな顔を翔はしている。 そんな翔に榊はクスっと笑うとその顔を撫でた。 「そんな顔をしない、すぐに帰るから部屋で待ってろよ。」 不安そうに翔は頷いた。 僕はそんなに不安な顔をしていたのかな? 自分ではどんな顔をしていたのかわからないけど不安だった事は認める。 翔は一人で玄関まで行くと靴箱に手を入れた。 カサっと何かが手に触れた。 覗いてみると紙が挟まっている、何かが書かれている。 『今日の18時に特別教室で待ってる、一人で来い。 誰かに話せばお前の秘密を学園にばら撒くぞ。』 翔はどうしていいかわからない。なんでも話せと夏目は言ったけど…話に行かないと! 翔は榊に相談する為にもう一度教室に戻る事にした。 『夏目はまだ居るかなぁ? 』 手紙を握り締めながら今来た道を急いで行った。 「夏目いる?」教室のドアを勢いよく開けて見渡した。 しかしそこには夏目の姿はない。 校舎の中では使えない携帯を取り出すと柱の陰に隠れて夏目に電話をかけた。 何度かコール音がして留守番電話に繋がってしまう。 もう一度かけたがやっぱり繋がらない。 翔は手紙をズボンのポケットに押し込むともう一度榊に電話した。 一度寮に戻ってまず荷物を置いてそれから考えようと急いだ。 「夏目…僕はどうしたらいいの? 早く留守電に気づいて!」 指定の時間が近ずいてくる…翔はどうしたらいいのか不安で部屋の中をうろうろしている。 相変わらず榊からは連絡がない。 『一人では行動するなよ!』 そう榊からは言われているが、あの時の写真をばら撒かれたらもう学園にはいられない。 「そうだ!竜崎君に相談しよう。もしかしたら夏目の居場所を知っているかもしれない。」 翔は以前聞いた携帯ナンバーにかけてみた。

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