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第61話

「昨日は大変だったな、もう心配かけるなよ」 竜崎は朝食のために来た食堂で榊たちを見つけると声をかけた。 榊の隣に腰を降ろすとトレイに載った食事を勢いよく食べだした。 「おはよう、昨日はごめんなさい、もう大丈夫だよ」 翔が答えた横で榊は黙々と食べている。 「オイ!お前は何も無いのか?お礼とか?」 榊は手を止めて竜崎を見た。 「別に」 それを聞いて竜崎はため息をついた。 「竜崎君!夏目は悪くないよ!僕がしっかりしてなかったんだから悪いんだ。」 翔はどもりながらも答えた。 「いいや、夏目も悪い。危ないとわかってて斎藤を1人にしたんだからな」 翔は俯いてしまった、もう食事なんか喉も通らない。 「誠司、いい加減に翔をいじめるな。可哀想だろ」 榊は箸を置いて竜崎を睨んだ。 「別に斎藤をいじめてるんじゃ無い。夏目を責めているんだ!本当にマイペースだな、お前は!」 それだけ言うと竜崎は箸を持った。 「斎藤も食えよ、持たんぞ。」 翔はなんとか箸を手に取ると、食事を取り出した。 『この2人は仲がいいのか?悪いのか?』 翔は小さく息を吐いた。 登校しても、周囲は変わりなく何事もなく昼休みまで過ごした。 「今日は、三年の人は何にも言ってこないみたいだね。よかった」 翔はホッとして隣の榊を見た。 朝からずっと一緒に行動してトイレまでついて来ようとして流石に断ったが、気がつくと廊下に待っていて少し恥ずかしくもあり嬉しかった。 「そうだな、少しでもなんかあったら言えよ。」 榊のそんな言葉が嬉しかった。

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