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第69話

部屋のドアを開けるとカサっと翔の前に何かがひらりと落ちた。 「夏目、何?メモ?」 榊が拾うより早く翔が手に取った。 「なっなんでこれがあるの?」 榊が翔からその紙を奪った。それは見覚えがある…以前翔が襲われた時の写真のコピーだった。 榊は翔の手を引くと部屋に入って鍵をかけた。 怯えている翔の肩に手をかけてベットに座らせた。 「翔…大丈夫だから、もう俺がついてる。」 「でも!これ…なんで…どうしてなの? イヤ!イヤだ!夏目僕どうしたらいいの? また…」 怯えてる翔の横に榊も腰を降ろすと優しく髪を撫でた。 「大丈夫だよ。前とは違う、お前を一人になんてしない。」 「でも…」 そんな翔の顔を覗き込むと榊は触れるだけの優しいキスをした。 「安心しろ、絶対に大丈夫だから」 「夏目…」 榊の顔を見て涙を流しながら翔は榊にしがみついた。 『いったい誰が翔の写真を持っていたんだ。前回全て回収したはずなのに…』 榊はしがみついた翔の肩を抱きしめ額にキスをした。 翔を宥めながら、見えない位置で翔にバレない様に竜崎にメールした。 『田辺達が持っていた翔のデータは全て回収したよな? 部屋まで来て欲しい。』 そう送ると翔の背を抱きながら声をかけた。 「今から誠二が来るから…会うか? 嫌なら外に出るが…」 「僕のこと話すんでしょ、一緒にいさせて」 榊は頷くと翔の頬を伝う涙を拭った。

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