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第71話
「この写真は夏目が管理していてくれ。じゃあ俺は部屋に戻るよ」
「わかった、何かわかったら知らせてくれ」
竜崎は部屋を出て出て行こうとして立ち止まった。
「夏目は斎藤の事だけを考えてろよ、間違っても三年のフロアをうろついたりするなよ!」
夕方の事を言って榊に釘を刺した。 榊は苦笑いをして竜崎を見送った。
「三年のフロアってなんの事?夏目も何か危ない事してるの?」
翔が心配そうな顔で聞いてきた。
「大丈夫だよ、なんでもない」
翔にそう言うと隣に腰を下ろした。
「もう落ち着いたか? 」
榊の問いに『うん』と答えて榊の右肩に頭を預けた。 榊も翔の肩を抱きながらその手で髪を梳いた。
「俺は…お前の事が好きだ、一緒にいたい、守りたい。だからもう俺の前から一人で居なくなるなよ…」
榊は以前の翔の行動の事を言っているんだろう。悩み過ぎて屋上からなんてもうごめんだった。
「大丈夫、もう榊のそばを離れないから…鬱陶しかもしれないよ」
そう言うと笑った。榊もにっこりと微笑んだ。
深夜、榊は携帯のメール音で目が覚めた。 昨夜は翔も疲れているだろうから何もなくキス止まりでお互いのベットで大人しく眠った。 そんな榊の携帯は着信のランプが点滅している。
「誰からだ? 迷惑メールか?」
画面には竜崎の名前、榊は身体を起こすと画面を開いた。
『こんな時間に悪い、朝では間に合わないから』と前置きがあって
『斎藤の事が噂になっているようだ。男に身体を開くとか誰にでも抱かれるとか、まだ一部での噂だが出所は三年らしい。明日の登校はよした方がいいんじゃないか』
と、書かれていた。 どうしていきなりそんな事になってるんだ? 榊は隣のベットで眠っている翔を見た、よく眠っている。 榊は竜崎と手短かにやり取りをすると、朝なんて翔に説明しようか考えた。 なんて説明しても動揺するのはわかっている、休ませるにしてもこの部屋に一人にする訳にもいかない。もうこれは二人して風邪になるか? 朝まで数時間、榊はもう寝れそうにない。
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