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第4話
「おー撮れた撮れた。文字もザーメン溢れさせてる穴も、バッチリ」
さすがにそれは、と振り返りかけたところで、首根っこを抑えつけられる。
「顔を写されたくなきゃ下向いてろよ。まあこの場所も分かるヤツには分かるだろうし、この体と金髪じゃあ現地に来れば一発だろうが」
なに……なんの、話。
それ、撮ったやつ……ちょっと、それ。
「えーどっかに載せんの?」
「まあな。お前だって数こなさねえと稼げないだろ? なあ?」
「ゃ……やめ、」
「今更なにビビッてんだよ。前々からお前の写真、出回ってるの知らねえの?」
「え……」
「は? マジで知らなかったの? 一部界隈じゃ割と有名人だぜ? お前。某公園で露出してる金髪クンってな」
「そーそー。俺も最初はそれで知ったもん。でもみんな紳士だよなぁ、顔が分かるような写真はなかったし」
「ま、それは距離の問題もあるだろうが……だからこれだけ近距離の写真で、リアルタイム画像なら……よし。宣伝完了っと」
「おっと、それじゃあ人が増える前に、俺も使わせて貰おうかな」
俺はただ、2人の位置が入れ替わるのを、茫然と待った。
写真……? ネットに出回ってた……?
……可能性がないわけがなかった。ここは誰でも出入りが出来る公園だ。そんな写真が存在して、流出していたとしても。
…………彼も、それは知っていたのだろうか。
俺はどこまで、何を許していただろう。
「うぁッ……! ぁ、あっ……!」
前触れもなく、次の挿入が果たされる。
アナルを犯されれば、それだけで声を張り上げた。
ハアハアと息を荒らげているとお構いなしにまた髪を掴まれる。今度は後ろにいた男にフェラを要求されるのだろうかと思っていると、首に手が伸びていた。
「お代だよ」
そう言って首元を探る。首にぶら下げていた財布が目的だったようだ。
男はがま口を開き、金を入れる。多分入れた。顎の真下にあるそれを、俺が直接見る事は叶わない。
これで1人目が終わったという事か、ほっと安堵の息を吐いたのも束の間、やはり口も抉じ開けられた。
「口はサービスなんだろ? 使ってやったんだから綺麗にしろよ」
さっきの男とは違う種類の臭いがするペニスで、口を塞がれる。
俺は無抵抗で、それも舐めしゃぶった。
こういう事は、深く考えないに限る。
幸いにしてセックスは好きだ。たとえ彼でなくとも、それなりには感じる事は出来る。今のところ痛い思いもしていないし、肉体的な負荷はまださほど大きくもない。
なら、もう、吹っ切るしかない。
今夜だけ。たった一晩だけ。
余りにも情報をバラ撒かれるようなら、もう来なければいい。
夜が明けたら、それを彼に伝えよう。日の高いうちは、彼だって俺を裸で放り出すような真似はしないのだから。せめて場所を変えてと、そのくらいの交渉の余地はある筈。
「ははっ、じゃあ、お次も、中に……、……ック!」
じわり、腹の奥に熱っぽさが広がる。
2度目の吐精が果たされると、口の中のものも出ていった。
全身が疼くようだった。数をこなす為か、単純に用を足すだけの便所扱いという事なのか、2人とも長々と情事を楽しむ素振りはない。
ただでさえ射精を禁じられた俺は半端なところで終わりを迎えてしまい、次第に濃くなっていく据えた空気にも、欲情しているようだった。
「ぅ、ぁ……もっと……」
気付けば無意識のうちに、そんな言葉を口走っていて。
2人目の男が財布に硬貨を落としながら、嘲笑した。
「もっと? もっとなんだよ。もっと犯して? それとも稼がせて? 安心しろよ……ほら、次だ」
何が次なのか、問う前に答えは分かった。
俺の上に、次々と影が落ちる。
1人増え2人増え、未だ四つん這いの俺は、殆ど人垣に囲まれるような形になっていた。
さっきの写真がネットに流れたにしては反応が早過ぎる。恐らくは前々から、公園のどこかに潜んでいた連中だろう。
覚えたのは僅かな恐怖と、期待、そして安心感。
何しろ俺は、10回以上は、使って貰わなくてはならないのだ。
このペースならば、1人につき複数回相手をすれば目標額に到達する。
何も朝まで待つ事はない。
目的は彼にコーヒーを買って戻る事。
それを果たしてしまえば、ネットで情報を得た人間が来る前に撤収する事だって出来る筈。
もたもたしている時間はない。
早く使って。
早く出して。
「次の方……どうぞ、お使い、下さい……」
顔も上げず懇願すると、俺は自ら両手で、尻穴を拡げてみせた。
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