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第5話
「んっ……ふ、ぁ……っ」
返事をきいたイシュは、勢い良く立ち上がって、僕をベッドに抱き上げて、そのまま性急に唇を奪って来た。その激しさに僕は声を漏らしてしまう。
「やっと、弦に触れられる……」
キスの合間に僕の着てたシャツはいつの間にか脱がされてて、肌に直接イシュの舌が這う。
「ッ……ひ、ぅ……」
時折吸い付かれるチリリとした痛みに、思わず声をあげながらも、これが、噂に聞くキスマークって奴なのかな――なんて考える余裕があったのはここまでだった。
向こうでも恋人なんて出来た事なかった僕は、同性は勿論、異性との性経験もなくて、僕がイシュに勝てるはずもないんだけど、ただただ、イシュが与えてくる愛撫に翻弄されるしかなかった。
「ひ、ひぁぁああああ――」
的確に、時に焦らされながら、他への愛撫でとっくに立ち上がって、涎を垂らす陰茎は触れられれば、すぐに一度目の射精を迎えてしまう。
「ッ、冷たっ……」
イった事で力が入らない僕の後孔に香油が垂らされて、その冷たさに身体がぞくりと震えた。
「急だった故、温めたものを用意出来なかったすまぬな」
一切乱れてない、それこそ服のボタン一つ外れていないままのイシュはそう言いながら、自身の指にも香油を纏わせ、ぷつりと僕の後孔に中指を突き入れた。
後から思えば、その場で香油を魔術で暖めるくらい訳ないはずなのに。
「ぅ、あ……ッ」
初めて感じる異物感に言葉にならない声を上げてしまう。
何だが、僕ばっかり乱れてる――それが余計に僕の羞恥を煽った。
「ぁ、ん……ふ、ぁ……ね、いしゅ、も、いぃからぁ……ッ、い、挿れて……?」
じゃないとその前に僕が気絶しちゃう。
最初は違和感を感じるだけだった後孔への刺激だったけど、散々慣らされて、ついにさっき、後ろへの刺激だけで絶頂を迎えてしまった。
「……挿れるぞ? もし痛ければ、遠慮なく言うのだ」
僕の言葉を聞いた瞬間イシュは、僕のナカから指を抜いて、全てを脱ぎ捨てると、覆いかぶさってきて、耳元でそう囁いた。それまで乱れる事がなかったイシュの服は、理性を保つ為だったみたいだ。だって、その証拠にイシュの瞳にはさっきまでよりも確かな欲望の炎が灯ってる。
「ぁ、ッひぁ、苦しッ」
長い時間を掛けて、僕がそれこそイく程に、イシュの指で解された後孔は、引き攣る様な痛みはもたらさなかったけど、さっきまでとは比べ物にならない質量に圧迫感を感じる。
「っく……、締めるな、我も久しぶりなのだ、持っていかれてしまう……!」
「そ、なの無理……ぁッ」
イシュの屹立がイイ所を掠めて、緩める所か、更に締め付けてしまう。
「ッ……動くぞ?」
僕が締め付けたのを息を止めてやり過ごしたイシュの言葉に声もなく頷いた。
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