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目的

はぁ…もう,ボク満足… お腹いっぱいになったお腹を擦りながら僕はソファで寛ぐ 「結構食べたな…」 「育ち盛りですからァ!」 「見た目は女っぽくてもやっぱり中身は男か…」 「ですです」 ボクはコクコクと満足気に頷けば洗い物を終えた先輩がボクの横まで来て携帯を取り出した 先輩は携帯するのかぁ… ぼっちにされたボクはあまりの暇さにソファの腕置きにもたれ掛かる 「今日何してたんだ?」 突然話を振られてハッとする 何してたって…パパ活…なんて口が裂けても言えないし 「で,デート?かなぁ」 いやいや嘘じゃないし,うん、 ,合ってる!ボク先輩騙してないよ!? 「ふぅん…」 先輩はあまり興味なさげに返事をするので内心ボクはホッとする パパ活バレると学校的にも家族的にもやばいよなァ… 暫く先輩は携帯を見つめて黙り込んでしまう ボクは何故かどんどん緊張してきていてもたっても居られなくなってくる なんでだろう… 心臓がバクバクと痛いくらいに跳ね上がる 「デートってお前恋人居たの?」 「え…あ,それは…別に恋人じゃなくてもデート出来ないですか?」 ボクは思わずアハハッと苦笑いを浮かべる すると先輩はボクの顔を見て若干口角を上げた え? ボクは何故かゾッと悪寒が走った すると先輩の腕がボクの腰に回ってきて引き寄せられる 体と体が密着してボクは混乱する その混乱している中,先輩はボクに携帯の画面を見せてきた 「だよなぁ……もし恋人とデートならこんなん異常だよなぁ」 その画面に映るのはボクと今日デートした人が腕を組んで歩いてる姿だった それだけじゃなく,先輩はボクがお小遣いを貰ってる場面や別の日にしてたデートの場面まで色んな写真を写していた やばい… ボクの全身から嫌な汗が流れ始める いつから…? バレ無いように毎回遊ぶ所は変えてた 見つかっても誤魔化せるように相手のことも「パパ」って呼んでた でも…お小遣い貰ってるところまで見られるほどボク,気を緩めたつもりはない…なんで… ゾッとした… 頭上で先輩が楽しげに笑ってるのが分かる 怖い…… 「学校で有名人のお前が…まさか援交みたいな事してるとは誰も想像つかねぇよなぁ……バレたらどーなんだろーな」 先輩の声が頭から振ってくるかのように聞こえてくる 楽しんでる… ククッと喉を鳴らしながら笑う声が聞こえてきてボクは涙が出そうになった 「なにが…目的ですか……言いふらさないでボクに言ったのは何か目的があるんですよね……お金?そうなわけ無いですよね…お金持ちですし…名誉ですか…?」 ボクは得体の知れない恐怖を必死に耐えながら先輩に問いかける 家族に迷惑が掛からない程度の事ならなんでも聞き入れる覚悟だ… 「目的ねぇ……」 先輩はそう呟きながらボクの顎を持ち上げて目線を合わせてくる 正直泣き出したいのを堪えて先輩の顔をじっと見つめる すると先輩はフッと笑みを浮かべ,気が付いたらボクの目の前に顔が近付いていた え………… これ……キス…………? ボクはものすごく混乱してしまった…

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