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第13話 エディの試練

約数十分後 ―― 屋敷の自室の開け放れたまんまの戸口に クラスメイトで下宿人のハワードが現れ、 室内を見て目をまん丸くして驚いた。 無理してヤらなくてもそこそこにデキる、 という部類に属するエディが普通の学生らしく 机に向かって勉強していたからだ。 「あれぇ、どうしちゃったのー? プリンス。 珍しく男っ気がない上に、 お勉強?」 「るっせぇなっ! 俺が勉強してちゃわりぃーの かよっ??」 「どわっ。おまけに、おっそろしくご機嫌ナナメ……」 「用があるならさっさと言え」 「大きなお世話だって言われそうだけど、  リーフと喧嘩でもした?」 「……どーして」 「彼、このフロアのテラスでずっと泣いてる」 エディがノートへ走らせていたペンが ピタリと止まった。 「……収拾つかなくなる前に早いとこフォロー しといた方がいいよ」 「…………」 ***  ***  *** ハワードの言った通り、リーフは自分の部屋とは 反対端の廊下の突き当りにあるテラスで グスン、グスンと鼻をすすり泣いていた。 エディ、来るには来たが、一体何をどう話したら よいやら―――― リーフの後方でしばらく行ったり来たり、 まるで檻の中の獣のように挙動不審にうろつくだけ。 しかし、やっと意を決したようリーフの傍らに 立ち止まった。 「―― あ、あのよ」 「――――」 「さっきは、ごめん……ア、でも、けしてふざけた 気持ちで ヤったんじゃねぇ、俺……」 リーフはしばしその次の言葉を待ったが、 やがて待ちきれなくなったよう隣に立っている エディを見る。 エディはそのリーフの視線をちゃんと受け止めて。 「―― お前が好きだ」 リーフ、こんなエディへ少しでも気持ちを動かした 自分が馬鹿だったと、自嘲気味にフッと 苦笑いを浮かべ踵を返した。 エディ、そのリーフの腕を掴んで引き止める 「何だよ! 人がせっかく大真面目に告白したってのに  そのリアクションはっ?!」 「離宮住まいの候補様とならまだしも、毎日とっかえ  ひっかえ男連れ込んでヤりまくってるくせに、  そんな奴の言う事そう簡単に信じられるかよっ!」 「じゃ、どうしたら信じてくれる? どうしたら、  今の俺を受け入れてくれる??」 「そ、そんな事俺には……」 「言えねぇなら偉そうな事いうなよっ。本気で  惚れてる奴が気付こうともしてくれねぇから、  振り向いてくれねぇから他で間に合わして  どこが悪いっ?!」 「!…………じゃあ、俺が認めるまで、  いいって言うまでH我慢出来るか? 今まで  付き合ってたセフレ達ともみんな別れられるか?」 「―― 上等じゃん。俺がセフレ全部と別れて  禁欲すりゃあ、お前、俺のモンになるんだな?」 リーフはコクンと頷いた。 こうして絶倫エディの果てない禁欲生活は スタートしたのだった。

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