急かされてもな。俺はもっと、長く、深く、緩く、お前を味わいたい。 だけどお前はその潤んだ瞳で俺を急かすから。 手の平で内腿を撫でると、そのままお前の勃ち上がった自身に指を這わせる。 「ふっ……は、ぁ」 溜息のような吐息は、満足しているのか？ それともまだ俺を欲しているのか？ 自分より太く長い指が俺自身を触るのが視界にはいる。すこし勿体ないような、でもはやく、と思ってしまう。 「…ん、ゃぁ………」 熱に浮かされながらも、お前を求める。あぁ、赤みが増した茶色の瞳がどこか怯えているようにも見える。 「……一緒に、いかないのか？」 ニヤリと笑った。 「ふっ……まだ、これから、だろ？」 片方の手でお前の屹立を弄びながら、カッコつけた台詞を吐いて。 俺のもう片方の手は、お前の手を硬く握り締める。 舌と指先を動かすと、お前はまた喘ぎながらも、愛らしく身体をうねらせる。 お前から発せられるその全てが、俺の精神を燃やしていく。 ギラギラと魅せる赤みの強い茶色の瞳に思わず笑みが浮かぶ。 あぁ、俺だけを見ている。俺に振り回されて、足掻く姿は理性を溶かす。 握られた手も熱に浮かされて境界が判らなくなりそうだ。 「っ、ぁああ……っ……」 激しい腰使いと荒い息。滴り落ちる汗すらも、俺に快楽を与える。 漆黒の瞳から、汗か涙か判らない雫が流れてきて。俺の汗とお前の雫が混ざる。 お前はうっすらと笑みを浮かべているけれど。愛おしい喘ぎも出しているけれど。 その笑いは、もしや俺を嘲っているのか？ ちくしょう、またみっともない思考がよぎる。 「なぁ……なにが欲しいのか、言ってみろよ……」 同じ質問。同じ表情。 あぁ、ほんとうにばかだなぁお前。と心中で呟く。 「当てて、みろ……っ」　 最愛なんて必要なかった俺をここまで甘くさせた。 「当てたら、お前の欲しい言葉を言ってやるよ」 ここまで自由にさせて、まだ自信を持てないのか。と思うと言葉遊びもしたくなる。