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第6話
濡れた髪を拭きながら冷蔵庫に入っていた作りおきのビーフサンドイッチを電子レンジにいれる。2~3分加熱しながら野菜スープの鍋に火をつける。
「……足りるかな」
よく食べるからなぁ。と考えながら欠伸をする。
リビングにいい香りが漂いはじめた。
「うわっ、っと!」
缶ビールを開けると、勢いよく泡が噴き出した。
「ほら、ちゃんと注いで飲め」
缶から直に喉を潤していると、ぐいっとコップを押し付けられた。
「おぉ、美味そう」
電子レンジの蓋に手を伸ばすと、お前は俺の尻を蹴って、
「おい、座って待ってろ」
飼い主のように命令する。
大量に貰ったじゃがいもを思いだしてポテトチップスを追加した。(ピーラーで剥いて揚げるだけ)
素直に座り、コップに注いだビールを飲んでいる姿はかわいい。
「ほら、熱いから気を付けろよ」
大皿に盛り付けたビーフサンドイッチと揚げたてのポテトチップスに塩をふりマグにスープを盛れば完成だ。
いただきます、とサンドイッチにかぶり付くと、素肌に具材が溢れて。
「っ、熱っち!」
「洸樹、Tシャツ着ておけよ」
呆れて笑うお前は、上半身裸の俺と違い、きちんと服を着ている。
「隼人こそ、裸にエプロン、とか見せてくれよ」
拗ねたように応えると、また笑いながらお前は俺に布巾を手渡す。
「い、や、だ。俺はベッドと風呂とセックス以外で肌を見せないんだよ」
スープを食べながらニヤリと笑う。
缶ビールを開けてコップに注ぎ一口飲む。うまい。
「セックスのスパイスとかさー」
「なんだ、マンネリなのか?」
あれだけやりたい放題したのに?と笑う。
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