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第7話

やりたい放題、ね。 お前にとってはそう感じるかもだが。俺はまだ、お前に気を遣っているんだよなぁ。 ビールを飲んでごくりと動く、お前の白い喉元を見ながら、ぼんやりと考える。 「スパイスはもう掛かってるかもなー」 ポテトチップスをバリボリかじって、ビールを一気に飲み干した。 感じる視線を無視してサンドイッチを食べる。うん、ソースもうまい。自分の料理を分析しながら食べるのは癖だろう。 「ふぅん……あぁ、でも俺もそうかも」 指についたソースを舐めとり、ビールを飲む。 まぁ、余裕がないのはお互い様だとして、体力の差があるのは否めない。 「もっとやりたいのか?」 指先を舐めながら問い掛ける、その視線に挑発の色はない。 「……もう無理なお前とやっても、つまんねーよ」 俺の返事は分かってるくせに。性悪っぽく答えるが、意地が悪いのは俺よりお前だ。 「それに俺、明日は午前からバイトだし」 「ふぅん……じゃあ、食べたら帰るの?」 「いや、朝まで居るよ」 「そっか」 ぺろりと食べられた皿を片付けながら、朝食をどうしようかと考える。 「……米とパンどっちがいい?」 バイトなら体力を使うだろうし、明日は2限から大学だったはずだな。と考える。 普段はワックスのついている金髪。風呂あがりの柔らかな髪を撫でる。 髪から伝わる手の感触と、美味いつまみに誘われて、また缶ビールの蓋を開ける。 「やっぱ朝は米だなー。おかずってなにがあんの?」 「作り置きの煮物があるから……あと卵でも焼くよ」 「やった! 隼人の卵焼きだ」 こいつの料理の腕前は知っている。というか、そこから知り合ったのだし。 明日は出汁で卵焼きを作ろう。目の前の男は甘い卵焼きが嫌いだからな。と考える。 「お前、好きだよなぁ。卵焼き。誰でも作れるだろ」 巻いてあるのではなく厚焼き卵。 お出汁の塩気と大根おろしを乗せると美味しい。 「お前が最初に出したんだろ」 「……あぁ、そうだった。失恋のやけ酒のお供にな」

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