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第20話

「……ふふ、そうだな。こっちだ」 洸樹の誘いにのり、隼人は寝室のドアを開けた。 やはり、キチンと整ったベッドとサイドテーブルが目に入った。 隼人はベッドに腰掛けて引き出しを探ると、何かを取り出しサイドテーブルに置いた。 薄暗い寝室で、隣に座った洸樹はそれを見て。 「ふぅん……やっぱ、こういうの常備してんだな」 拗ねたように言うと、隼人はその表情を見て笑う。 「悪いか? あった方が良いだろ?」 こういうの、とはローションとコンドームだ。 「洸樹もさ、初めて使う訳じゃないんだろ?」 ローションの瓶を弄り、笑顔で問い掛ける隼人の顎を掴んだ。 「あんまり……ガキ扱いするなよ」 ぎらりと眼光鋭くなった洸樹に思わず笑いかけた。 「まぁ、そうだろうけど。きっと俺より使わないんだろうなぁと思って?」 簡単な煽りに引っ掛かるくらいだからな。と洸樹の喉にキスをした。 「お前はそんな大量に使ってんのか?」 舌先が首筋を這うのを感じつつ、隼人のシャツのボタンを外していく。 「ふふっ……どうだろうなぁ?」 胸元を探る指先を感じながら、洸樹の鎖骨の辺りに強く吸い付いた。 手慣れている。と思った。 男に抱かれるのも、雰囲気づくりも。 「……なに、男は初めてなの?」 もしくはそんなに経験ないとか? 「違う、けど……」 「お前よりはガキだろうなぁ……」 シャツを開くと、ベッドライトの仄かな光が隼人の白い肌を染める。 下も脱がすか? そう考え手を止めると、隼人は自らベルトを外しながら、洸樹のTシャツをめくった。 「ほら、洸樹も脱ぎなよ」 自身の下半身を露わにしながら、もぞもぞと腹筋を触ってくる。 「おい、くすぐってーよ」 「筋肉しっかりしてるよなぁ。俺つきにくいから、いいなぁって……」 思うんだよね。と笑んで腹筋を撫でる。 すこし冷たい指先がヘソから下に真っ直ぐにおりていく。 「ね、はやく」 熱を込めた声が洸樹の耳を犯した。 急かされてもな。ガツガツ喰いついて、ガキ扱いされるのも嫌だ。 まだ勃ち上がっていない隼人の欲をそっと握ると。ゆっくり上下に動かし、指で好い所を探る。 そのとき隼人の肩に顎を乗せたのは、顔を合わせる事が出来なかったから。洸樹自身、どんな表情をしているか分からないのだし。

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