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第21話
『セックスをするのは愛情表現であり、お互いの体温を分かち合うことだ』という言葉がよみがえった。
肩に乗る洸樹の顎としごく手のひらの温かさ。
きもちいい、とは言えないが頑張っているのは伝わってくる。
あぁ、だんだんと隼人は反応してきた。
瞳を瞑って溜息をつき、洸樹は身体を屈めると、隼人の脚を開く。
「お前の咥えて良いだろ? まぁ、上手くはねーけどさ」
こういうのがガキ臭いのにな、と思いながら、ぶっきらぼうに問う。
「……そーゆうの、嫌いかと思った」
されるのは嫌いじゃないが慣れない。
「無理はしなくていいぜ?」
くしゃりと洸樹の髪を撫でた。どこか大人びた声だった。
俺はいま、無理してるのかな?
分からないまま隼人自身を口元に持っていき、さっき手料理をかじったのと同じ感覚で、ぱくり、と適当に咥える。
「ふっ……ん……」
僅かな吐息が上から溢れた。快感か? 戸惑いか?
戸惑いなく熱い咥内に咥えられた事に少しの驚きと腰から粟立つ快楽に声が出そうになり、思わず声を殺した。
なんでだ?と自分でも思う。
「……ふぁ……っ」
舐められるだけで快楽が脳ミソを溶かしていく。
「んっ、うぅっ……」
目を瞑り、意識を飛ばして、ただ懸命に顎と舌を動かす。
息苦しいのも、もはやどうでもいい。上から聞こえる喘ぎも気にしない。
でも、だんだんと口内で形を変えていく熱の塊には、心が動いた。
咥えるのも、咥えられるのもほぼ経験はない。ただ、隼人の反応をみていると、少し楽しくなってきた。
「……こ、うき……さ……っ」
快楽で熟した声が甘い。
今までの余裕はないのだろうなぁ。と思う。
「……かぁいい」
ぺろりと先っぽを舐めた。
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