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第23話

「……んー? 次は違うもん食わせてよ……」 挑発されて身体も心も裸になった洸樹は、子供っぽい口調で甘えると、隼人の胸元に顔を埋める。 それに合わせて、隼人は洸樹の髪の毛をよしよしと撫でた。 「また、今度ね。このままする?寝る?」 クスクスと笑いながら大きな弟のように頭を撫でる。 甘えられる事も、楽しいものだと初めて知った。 「まだまだ……腹減って眠れねーよ……」 隼人の肩を掴んで洸樹は思い切り寄りかかった。 どさっ、とベッドが弾むが、驚きもせず隼人は挑発の笑みを見せる。 「なぁ……お前をさ、食えるだけ、食っても……いいんだろ?」 途中途中にキスを挟みながら問い掛ける。 「ふ、いいぜ。ただし、腹壊してもしらねぇよ?」 にんまりと笑って背中に腕を回した。 「お好きなだけ」 キスの合間に囁かれた言葉に体温が上がった。 さっきの食欲より何倍も欲望は溢れてきて。 軽いキスから徐々に唇をこじ開けて、強引に互いの舌を長い間絡める。 ぷはっ、と一旦呼吸を整え、濡れた隼人の唇を親指でなぞった。 「でもさぁ……もしも、お前を食い尽くしたら、俺はどうなるんだよ?」 洸樹の質問に喉で笑い、濡れた唇が弧を描いた。 「人間じゃないだろうな……なんて、な」 美しく妖しい煌めきを宿していた黒曜石のような瞳が深い闇をうつしていた。 「隼人も……人間ではないだろ」 夢の中の精霊か? 絵の中から出てきた妖怪か? 吸い込まれるような黒い瞳を眺めつつ。 「喰われるのは……俺かもな」 苦笑しながら手を動かし、様々な部位を探り。表情や吐息が変わった部分は、指先でより慎重に探っていく。 ただの言葉遊び。 「ふふ……」 イイトコロを探る手を感受しながら笑う。 「セックスなんて、喰うも喰われるも、一緒だろう?」 快楽の熱があがる。 セックスなんて挿入るのも、挿入られるのも、どっちも同じくらいの欲を持たないと気持ちよくはないと思っている。 「……俺は、洸樹さんに喰われたいなぁ……」 身体を探る手とは反対の手で、隼人の口をぴたっと抑えた。 「喰うやつに『さん』付けで呼ばれたくねーわ」 だんだんとテンションが上がってきて。隼人のからかい文句にも、ふざけて応えると。 洸樹は隼人の乳首をぺろり、と舐めた。さて、上手く喰うことが出来るか?

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