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第24話

「じゃあ、洸樹?」 にんまりとチェシャネコのように笑い、口を抑えた手を舐めた。 「……いいねぇ」 一本、一本、指を舐められて。ぞくぞくっとした感覚が指先から腕を伝わり、首筋が震えた。 「なぁ、隼人、はやと……もっと呼んでくれよ……」 笑いながら甘える。 「……こうき、こーき」 甘えた声をだす洸樹の希望を叶える為に名前を呼ぶ。 「甘えたいのか?洸樹」 「んー? わかんねー」 白く滑らかな肌に頬ずりしながら答えると、隼人はクスクス笑う。 「もう、甘えてる、のか」 言葉を受けた洸樹も笑い、ふたりの笑い声が寝室に響くが。 身体を弄られている隼人の笑い声は、だんだんと変わっていった。 「ぁっ……んぅ……っ」 段々イイトコロを掴んできた洸樹の手に声があがる。 じくじくと疼く場所は伝えなければ判らないだろう。 「……なぁ……そこっ、もっと……ん」 願望の声色が耳に入ると、また首筋が震えて。 洸樹はいままでの快感へのテクニックを思い出し、全神経を隼人の身体へ集中させる。 するとまた喘ぎ声が上がり、それが洸樹の快感も呼び起こす。 「っ、ふぅ……っ、うしろも……」 いじって、と消え入りそうな声で乞われた。 途端に儚げになった隼人を、ごろん、と転がし背中を向けて。 首筋に舌を這わせながら、腕を伸ばしてローションの瓶を掴む。 「なぁ……どうなっても、知らねーぞ……」 たっぷりとローションを手の平に注いだ。 期待快楽が駆け巡る。 「ん……たぶん、へーき」 儚い中に沸き立つ色気に煽られた。 こいつが平気でも、俺は大丈夫か? そんな不安に駆られながらも、洸樹はそっと隼人の狭間に指先を埋める。 「やっ……? はっ、あぁ……」 指で奥を探っていくと、違和感か快感への疑問か、分からない声が上がった。 思った以上に深くまで挿入ってくる指に驚きながらも微かな快楽がある。 「……ぅぁ、ぁん……」 探るように動く指が前立腺を掠めた。 ビリビリと脳みそに快楽が叩き込まれる。 「ん、ぁ……ゃあ……」 あぁ、本気で感じてるのか。 微かだが止まらない喘ぎ声、シーツを掴みながら動く両腕、妖し気に染まる目元や、吐息を出しつつ濡れる紅い唇。 隼人の全てが洸樹の欲情を燃やしていく。 俺の身体の全部を使って、もっとこいつを気持ち良くさせたい。 「んぅ……っ、は、やく……ちょうだい……?」 熱に浮かされる隼人はふりかえり、微笑んだ。 「ちょうだい、なぁんて言われてもな……ご期待に添えるかどうかは、分かんねーぞ……」 半分笑いながら、屹立にコンドームを付ける。 ふぅっ、と興奮を収めるように溜息をつくと。洸樹自身をゆっくり隼人の中に沈めていった。

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