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Ⅰ章 優しいその指が……⑨

ありがとう、凌 ごめん、凌…… 俺は、お前に出逢えて幸せだ。 こんな俺を気づかない振りして抱いてくれる。 ごめん……凌 願いは叶ったよ だから、最後にするよ。 最初で最後の交わりに……… 酷くしてくれ お前を忘れぬように、アァ! 自分で十分ほぐしたのに、蕾が悲鳴を上げる。 歓喜に打ち震えている。 「凌様のっ……おっきぃ」 後ろが凌の形に広がっていく。 悦びで反り返った竿がドクドク、汁を垂らす。 凌っ、大好きだ お前の昂りも、汗も、体温も、声も、息も、瞳も全部 涙がこぼれた。 これは生理的なもの 感情はない 只の体液…… 温かな湿った感触が、目尻に触れた。 舌が涙を拭う。 「……真珠」 吐息の熱さに、頬を雫が伝った。 こんな事されたら、お前から離れられない。 「楔、まだ抜かないでぇっ」 意識が飛ぶほど腰を振る。 俺が俺でなくなりたい。 そうしたら、お前を忘れられる 愛しているから忘れなくてはいけない…… 優しくしないで 滅茶苦茶にして 激しい律動で、卑猥な水音が繋がった秘部から響く。肉がぶつかる。 凌っ、凌っ もっとォッ! 汗ばんだ髪を掻き上げて、額にキスしたお前は意地悪だ……

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