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Ⅱ章 時こそ今は花は香炉に打薫じ①

トントントンッ 返事を待たず扉が開いた。 「お酒を持って参りました」 「後にしろっ」 「そうは参りません。ここは酒を嗜む社交場です」 コクポクポクコクっ 叱責を無視したボトルの酒が、グラスに注がれる。 真珠…… 汗と体液で濡れたベッド ささめかれた名に、 「抜くな、勝手に入ってきた鷹緒が悪い」 きゅうっと指の入った後孔を締めつけた。 「……真珠様」 ビチャン 「ハぅッ」 「どうぞ、お召し上がりください」 ポタポタポタ 火照った体に伝う、冷たいアルコール 髪から睫毛から琥珀が滴る。 「色っぽいですよ」 芳醇なラム酒の香りが、雄の臭いを溶かしていく。 貴方に、その雄の臭いは似合わない。 「貴方のために用意したお酒です。もっと喜んでください」 「ヒィヤアぁんッ」 ニュプリ 窄まりに指が差し込まれる。 その孔には凌の指がいるのにッ 「イイ顔です」 「お前ッ」 「嫌なら真珠様の中から出てけよ?」 蕾を掻き回しながら凌を睨む不躾な視線が、歪んだ笑みを刻んだ。 「ファうッ」 不随意に痙攣した真珠の右足を持ち上げて、キスを落とす。 「よく見えます。貴方のふしだらな孔、キュウキュウ締まって可愛い」 「真珠っ」 「凌様はっ……出てかないで」 「まだ貴方はッ!そんなにこの男が」 パシンッ 頬を打った掌が……痛い。 「出ていくのは、お前だ」 鷹緒 凍った瞳が鷹緒を見つめる。 哀しみに沈む深海の眼 「どうして……父様(とうさま)」 指を引き抜いた、と同時に……こぼれた声が…… すがるように俺を呼んだ…… 『真珠』ではなく、俺を…… 「父様」 そう……

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