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Ⅱ章 時こそ今は花は香炉に打薫じ⑥
「挿れろ」
それが、お前の望みなら……
「お前の雄しべで俺を鳴かせろ」
「貴方は……男狂いの色情狂ですね」
窓辺に追い詰める。
「ここなら淫乱な貴方を、外から誰かが見てくれるかも知れませんよ?父様」
強引に口を塞ぐ。
貴方の声は聞きたくない。
情けを掛けてるんだろう?
そうやって情の贖罪を済ませた貴方は、俺を捨てるんだ!
……抱きしめられた。
背中を
唇を貪る後頭部を、掌が撫でて……
「俺はお前の父様なんだよ」
お前は俺を
「父様と呼んでくれる」
否
「お前が父様と呼んでくれなくなったって、俺はお前の父様だから……」
お前を抱きしめるんだ
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