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4-カラオケで!?
「おせぇんだよ、佐藤(偽名)」
「ひー! すっすみませぇん」
天気のいい日曜日。
俺はまたも女装しておらおら体育教師の緒方とデート……なの?
これってデートなの?
やっぱそうなの?
「また新しい服着てるのか」
「あ! うん、また買っちゃった! このニーハイブーツもかわいくない!?」
オフホワイトのざっくりニットセーターにツイードのミニスカート。
んで太腿まである黒のニーハイブーツ。
ああ、俺ってほんと何でも着こなしちゃうんだよなぁ、テヘヘ。
「俺に聞くんじゃねぇ」
ブルゾンのポケットに両手を突っ込んだ緒方、おにゅーの服着てハイテンションだった俺の気分をぶち壊すように冷たい一言。
んだよ、別に「かわいい」って言ってもらいたかったわけじゃねーけど。
「似合う」くらい言ってくれてもいーんじゃね?
「カラオケ行くか」
「へっ?」
よって緒方とまさかのカラオケデートへ。
休日なので結構混んでいる。
受付で名前とか記入していたら緒方が肩に腕回してきて、すげー、重たい。
「佐藤じゃねぇのかよ、お前」
「あ!」
「LINEで確認済みだけどな、なぁ、佐藤?」
「あははぁ……」
うっかり本名を書いた俺、店員もコーイチって名前に「え?」みたいな顔してる、まぁいっか、偽名書くよりマシだもん。
「あ、いて」
後ろで待っていた、派手だけど中学生っぽい連中がぎゃーぎゃー騒いでいて、背中にぶつかってきた。
するとおらおら緒方は。
「おい」って相手に一言。
別に変にドスきかせたワケじゃない、普段と同じ低音ボイス。
それだけで効果てきめん、ぶつかってきた奴は「あ、すみません」と謝り、周りの友達は一斉に俯きがちに。
……やべー、俺、きゅんってしちゃった。
……なんか心まで女子化してね?
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