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6-ばばばばばれんたいんでい!!
「すっすみませぇん!!」
待ち合わせ場所で突っ立っていた緒方の真正面に行き着くなり俺は真っ先に謝った。
遅刻はしていない。
約束していた午後七時ぴったし、だ。
それなのにどうして謝る必要があんのかって?
そ・れ・は・ね!
今の俺、時間なくて女装するヒマなくてどっからどう見ても男子高校生だ・か・ら!
……やべー、普段の格好で会うのってよく考えたら初めてだし。
……緒方って、ひょっとすると、女装した俺にしか興味なかったりして。
九十度、いや、百度以上は頭を下げた俺、なんかいきなり色んなことが怖くなって、なかなか顔を上げられずにいた。
街中の喧騒が変に遠いものに感じられて「あれ、俺、今どこにいるんだっけ?」っていうくらい地味にぱにくっていたら。
「七時、丁度」
「へっ?」
「遅刻魔のお前にしちゃあ上出来だな」
本当は三分前がベストだが大目に見てやる。
そう言って緒方は、スカートもヒールも履いてない、ファンデもグロスもつけてない、ダッフルコートにチノパン履いた俺の頭を撫でた。
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