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26-パラレル番外編★孕んじゃう後日談c
■この話には別シリーズの「生徒のセフレになってやる」によく似たキャラ二人が登場します、なおかつ片方(受)が孕み男子、子持ちという設定です
今日の晩ごはんは俺のダンナ様、巽が大好きなカレーです!
この間買ったばっかの水玉エプロンおろして、テンションあげて、部活指導でバスケットボールだむだむして疲れて帰ってきたダンナ様のために美味しいカレーつくりま、
がぶっ
「ぎゃッ」
ジャガイモの皮を剥いていた俺、危うく包丁落とすところだった、ひーーッ危ねーーッ。
まな板に包丁をどんっと置いて、ジャガイモをボールにごろりと転がして、足元にいた奴をジロリと見下ろす。
「小市ぃ、いくらおいしそーだからって俺の生足は食べモンじゃねーぞ?」
「いーーーッ(`△´)」
俺の生足ふくらはぎをガブガブしているのは、我が家のモンスター、小市だ。
孕み男子に突然変異した俺が産みました。
だけどぜんっぜん手に負えないんだよ、このプチモンスター!
「がぶがぶ」
「いでででッやーめーろ!」
「みずたまっ、へん! ぶーす!」
「このやろー!」
プチモンスターと格闘すること、約一時間。
「なにやってんだ、コーイチ」
クッションがあちこちに吹っ飛んで、テレビやDVDやエアコンや天井ライトのリモコンもソファから落っこちて、畳んでいた洗濯物はぐちゃぐちゃで。
俺のお気に入りのワンピースに新色口紅でイタズラ書きしている小市、その傍らで疲れ切って放置してぼへーーーってしてたら、ダンナ様、帰ってきちゃいました。
「た、巽さん、おかえ、」
「おかえり、たちゅみっ」
口紅をポイして小市は巽にまっしぐら、巽はひょいっと我が子を抱き上げて「ただいま、小市」とすべすべほっぺたにおかえりのチューを。
小市を家中追っかけ回して髪はぼっさぼさ、おにゅーの水玉エプロンが脱げかけてる俺にはチューなし。
「たちゅみー、たちゅみー、今日ねー、あのねー」
小市が今日あったことを一つずつ報告していくのを黙って聞いて、俺のこと、放置。
俺はひっそり洗濯物を畳み直してカレーの準備を始めた。
最近、ずっとこんな調子だ。
俺がおにゅーの服着ても気づかない、何も言ってくんない。
隠し味変えてみたカレーの感想も特にナシ。
「小市、ついてるぞ」
小市にかかりっぱなし、俺のこと、放置。
家にいるときは我が子の面倒めちゃくちゃ見てくれるから、有難いっちゃあ有難いんですけど。
「小市、おみやげの歌舞伎揚げだ」
「わーい(*´∇`*)」
「今度の休み、久し振りに遠出して出かけるか。小市はどこ行きたい」
「牧場(*´∇`*)」
「牧場か。動物園はどうだ、小市」
「行くー(*´∇`*)」
俺のこと、放置。(大事なことなので三回言いました)
小市、小市、小市ばっか、もうちょっと俺のこと見てくれてもいーんじゃないですかね!?
「コーイチ」
「っ、なーに!? 巽さん!?」
「小市のシャツ、破れてんぞ。自分が着る服にしか興味ねぇのか、お前」
それ小市が自分でかぢって破いたんだよ、フンだ!!!!
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