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海にばっか目がいって、ウッドデッキとか砂浜でまったり寛いでいた大人カップルsにやっと気がついた俺。
あ、今、顔まっかですね、これ。
突っ込んでいったときとは真逆のテンションで海から出て巽のとこ戻りました。
「タオル持ってんのか」
「あ!」
タオルっつーか、ミニタオルならあるけど、荷物はごきげんワーゲンの中。
ぬ、濡れた足でスニーカー履いたらどっちも確実にくさくなる……。
場違いも甚だしい、ってお言葉が頭ん中でガンガン響く中、ピンクのコンバースを前にして固まっていたら。
「バカが」
巽は笑った。
笑って、拾い上げたスニーカーを俺に握らせて。
「ほぇっ?」
ひょいって、俺のこと……お、お、お姫様抱っこぉぉぉお!?
「あわわわわッ、めっ目立つッ、確実に目立つし、あ、笑われてるッ、あそことあそこのカップルに俺ら笑われてるぅぅッ!」
「やっぱ食った分、重み増してるな」
「これこそぱんつ見えるぅぅぅッ!」
夕暮れの、波音がずっと続く、すげー雰囲気いい波打ち際で……まさかのお姫様抱っこ。
なんだこれ。
ばかっぷるも甚だしい、みてーな?
「お前のこと見せびらかしてんだよ」
俺のこと軽々と抱っこした巽は平然と砂浜を進んで、俺は恥ずかしく死にそーで、ぞくきゅんして窒息しそうで。
やっぱしゃーわせです。
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